Vol.14 中学校部活動問題を「大人の問題」で済ませてはならないという持論
当ブログVol.8でも書いた朝日新聞アンケートが締め切られ、結果が出ました。
よほど反響が大きかったのでしょう。4月7日(木)~19日(火)の予定が21日(木)まで延長されたようですね。計2927回答とのこと。
では問1~問4まで、票数1位と2位を見ていきましょう。
問1.今の中学校の部活動についてどう感じていますか
→1位:大いに不満だ 1254票/42.8%
2位:どちらかというと不満だ 975票/33.3%
問2.今の中学校の部活動で期待・重視するものは何ですか(2つまで)
→1位:心身の成長 1603票/54.8%
2位:仲間づくり 1219票/41.6%
問3.今の中学校の部活動で改善してほしいものは何ですか(2つまで)
→1位:活動時間 1511票/51.6%
2位:指導者 1235票/42.2%
問4.あなたの今の立場を教えてください
→1位:それ以外 1147票/39.2%
2位:中学生の親 827票/28.3%
1位だけかいつまんで言えば
「大人」が中学校部活動に最も期待することは「心身の成長」であり、反面「活動時間」の長さ(もしくは短さ)が「大いに不満」である
という結果になりますね。
もう1つ面白かったのは、今回のアンケートはあくまで“部活動”に関するものであってどこにも“運動部限定”とは書いていないのに、「みんなの意見」を見るとほぼ運動部に関する内容なんですよね。しかも問題視で。自身が中学生時代に運動部で理不尽な思いをした大人が、思わず書いてしまうのでしょう。
中学生にも同様のアンケートをさせるべき
このアンケート、新聞社がやったということである程度注目もされるし後々記事にもなるし、すごくいいものだったと思うんです。第2弾もあるようですし。
「中学校の部活動をどう考える」アンケート締め切りました。
— 朝日新聞フォーラム面 (@asahi_forum) 2016年4月21日
2927人もの回答を頂き、ありがとうございました。
明日午後からは、「中学校の部活動」を巡る第2回アンケートが始まります
→https://t.co/WCjn7EUmr2 pic.twitter.com/lmRrCLl3Y5
ただし、欲を言うならば中学生にも実施してほしかった。
今回も中学生からの回答はあったんですが、2.3%なんですよ。低すぎます。
ネット調査だから、どうしても回答が大人に集中する。だから、子どもの部活環境をささえる大人の意見を聞くという意味では良かった。ただ、部活をやっているのは大人じゃなくて生徒なんですよね。生徒が部活に期待することや課題って大人と違うはずなんです。“支える側”の意見も重要ですが、“やる側”の意見も抑える必要がある。
部活を「運動部」に限定するのであれば、1つアイデアがあります。
それは、文部科学省(2016年度からはスポーツ庁)が毎年実施する「新体力テスト」時に、「運動部活動に所属している生徒を対象とした」全国共通のアンケート用紙を配ること。新体力テストは毎年5~7月頃、全国の全中学生を対象に実施されます。そして8月には各都道府県の集計結果がスポーツ庁へ提出される。その時に、国にも運動部活動について考えさせる契機とすればいい。
上にも書きましたが、リアルやネットで言われる部活動問題は、文化部ではなく運動部が大半。まずは運動部という括りで実施すればいい。…とはぜは勝手に考えている。
生徒自身が部活動の仕組みを知る機会を
今ネットには、運動部を何とかしたいという思いで、若手教師が奮闘しているサイトやブログが溢れています。
運動部顧問問題の火付け役と言っても過言ではない、真由子(仮名)さんのブログ。
過激なタイトルに引き込まれます。
Yahoo!ニュースでも度々投稿している、 名古屋大学准教授の内田良さん。
「部活動リスク研究所」というサイトも立ち上げています。部活動に関するTogetterも見ることができます。ついつい読んでしまう。
このように今、部活における顧問の負担が問題だと大々的に取り上げられている中、最近思うことがあります。それは「生徒自身も部活動の仕組みを知らないといけない」。
はぜは、小学3年生からスポーツ少年団でバレーボールをはじめ、当たり前のように中学校でもバレー部を選びました。でも顧問は素人でした。ルールも分からない、ボール出しもできない。顧問を馬鹿にし見下しました。「何でこんな奴が顧問なんだ」と。
大人になり、当時の顧問が弓道の元国体選手だったことを知りました。弓道を教えたかったでしょう。でも、はぜの母校には弓道部が無かった。だからバレー部に回された。そんなことも知らずに顧問を馬鹿にした。
全くルールも知らない種目の練習に毎回顔をだし、大会に顧問として来てくれたのに。
はぜのように、小学生期に特定種目に打ち込んだ子は、似たような経験をしているはずです。だからこそ思う。顧問と生徒がちゃんとお互いを知らなければならないと。「生徒も部活動の仕組みを知らないといけない」と。