はぜのメモ帳

ニッチな地域スポーツの話とか思う事とか。

Vol.8 4月19日(火)まで!朝日新聞が「中学校部活動へのアンケート調査」を実施中

朝日新聞が面白い調査を実施しています。 www.asahi.com

 アンケートの趣旨はこのようなもの。

 国公立、私立中の主要19競技の運動部を統括する日本中学校体育連盟が、中学生の運動部加盟率を出しています。2015年度は男女合わせて63.4%(男子73.2%、女子53.1%)。競技別では、男子はサッカーが13.4%、女子はソフトテニスが11.4%でトップでした。中学年代の日本のスポーツ活動を支えてきた運動部の存在感は、サッカーなどで学校外の地域クラブが増えてきた現在も、変わりません。
 文化部については、国立青少年教育振興機構が13年に全国の公立中学校2年生約4500人を対象に調べた結果、20.5%が所属していました。
 現在の学習指導要領では、部活動は生徒が自主的、自発的に参加するものであり、学校教育の一環として、責任感や連帯感を育てることなどに役立つと位置づけられています。その活動内容は高校入試の内申点に反映されることもあります。
 一方で、運動部を中心に勝利至上主義に陥る弊害を指摘する声もあります。

 また、教員にとって部活動指導は勤務時間外となるため、顧問の負担の重さが問題となってきました。今は外部から専門的な指導ができる人を招く学校が増え ています。昨年12月には中央教育審議会が、外部の指導者による試合など学校外への引率も可能にする制度を答申するなど、地域との連携をさらに促進しよう という動きもあります。

フォーラム:朝日新聞デジタル

質問は、選択式4つ+記述式(300字以内)1つ。
3分もあれば終わるので、回答してみてはいかがでしょうか。

回答期間は、2016年4月7日(木)~19日(火)14:00までです。

はぜの回答。

1人のスポーツ関係者としてではなく、中学校運動部活動OGの視点から回答しました。

問1.今の中学校の部活動についてどう感じていますか
→「どちらかと言うと不満だ」

問2.今の中学校の部活動で期待・重視するものは何ですか(2つまで)
→「達成感や充実感」「進学に有利になる

問3.今の中学校の部活動で改善してほしいものは何ですか(2つまで)
→「活動時間」「指導者」

問4.あなたの今の立場を教えてください。立場が複数重なる場合はひとつを選んでください。
→「その他」

何故こう答えたのかについては、ブログで随時出していくとして。

12日(火)11:00時点で、833の回答があります。
回答すると
各項目の割合を教えてくれるのですが、これがなかなか興味深い。

中学校部活への本音が垣間見える結果

まずは問4から。どんな人が答えているのか確認しましょう。

・それ以外:39.0%
・中学生の親:32.2%
・教員:21.2%
・親ではないが、家族に中学生がいる:4.1%
・中学生:3.5%

前提として、部活動をしている生徒本人ではなく、生徒を取り巻く大人やはぜのような元中学校部活動経験者からの回答が7割近くを占めています。それを踏まえて結果を見ると、面白い。

問1.まずは満足度。不満度が69.7%と、7割弱を占めています。

・大いに不満:38.2%
・どちらかと言うと不満:31.5%

・どちらかと言うと満足:24.5%
・大いに満足:5.9%

では、一体何が不満なのか?

問3.部活で改善してほしい点。下の4項目以外は15%を切っています。
・活動時間:48.9%
・指導者:44.8%
・学校外との協力:18.8%
・目的:17.9%

はぜの選んだ2つと同じでした。時間の問題と人の問題。
実はそのどちらにも影響するのが「目的」だと思うのです。

ここで最後の1問。

問2.部活に何を求めるか。下の4項目以外は10%を切っています。
・心身の成長:56.2%
・達成感や充実感:42.7%
・仲間づくり:42.1%
・生徒の自主性:21.8%

「何のために部活をするのか/させるのか」
上を要約すると、仲間と一緒にもしくは自分で何かを成し遂げたという目に見える達成感が欲しい/味わせてあげたい。そんな印象。

部活について教諭と生徒が話し合える場を

部活動には様々な人がいます。
スポーツ少年団にいた種目経験者で真っ直ぐに勝利だけを求める子、本気でやる気はないけど定期的に体を動かしたい子、部活動加入が強制だったからイヤイヤ入った子… 顧問もそうです。国体出場経験があるほど種目に詳しい顧問もいれば、ルールや道具の扱い方さえ分からない顧問もいる。

そんなバラバラな人間が少しずつでも同じ方向を向くには、まず顧問と生徒がお互いの想いを吐きだして部活動の方向性を決めるべきです。

「この部では勝利を第一に求めたい→レギュラー争いは熾烈になり3年生であっても最後の総体に出られる保障はない」
「この部では種目の楽しさを徹底的に教える→その代わり試合にはなかなか勝てないかもしれない」
「この部では文武両道を第一とし練習時間は他部より少なめにする→足りない部員は自宅もしくは朝練で補う」

このように教諭と生徒が、部活動の方向性についてディスカッションできる場を設けている所があれば、ぜひ一度訪問してみたい。

部活動には大会がつきもので、大会には各学校の名前を背負って出場することになります。大会で上位入賞すれば、スポーツ強豪校として学校の名前が売れる…このような風潮で、本来学校教育の一環であるはずの部活動には、大会で勝つための練習≒勝利至上主義がはびこっています。

ですが。中学生期のはぜのように、ただバレーボールを楽しみたかった、仲のいい友達と6対6に分かれてレクリエーションのようにゲームができればよかった、という生徒は山ほどいると思うのです。指導者は怪我をしないよう見守ってくれるだけで、練習時間も週1~2回ほどでよかった。

要するに、部活動においては種目ではなくレベルの選択肢が少なすぎることが、様々な問題を招いているとはぜは確信しています。

この朝日新聞のアンケート、調査結果がとても楽しみです。